新型コロナウィルス感染拡大に伴い、日本社会でも急速に導入が進められたリモートワークやテレワーク。そして先日、菅官房長官から発せられたのが「ワーケションの普及に取り組みたい」と言う言葉。
テレワークやリモートワークもまだ課題が多い状況なのにまた新しい働き方か、と思う人も多いでしょう。ですが、この「ワーケーション」、上手に取り入れられればそれらの課題解決にもつながる上、よりストレスフルに、能率的に働ける可能性を秘めています。
そこで今回は、ワーケーション受入地域としていち早く企業の誘致に取り組んできた、和歌山県白浜町の事例をご紹介します。
白浜町の事例を見ていく前に、まずはワーケーションがどんな働き方なのかを簡単に確認しておきましょう。
ワーケーションとは、workとvacationを組み合わせた造語で、言葉通り、リゾート地などの旅先で休暇を楽しみながら仕事もこなす働き方を指します。有給休暇の取得率向上を目指して2000年代にアメリカで広がり始め、ここ数年、日本でも注目度が上がってきました。
実際取り入れている企業からは、休暇が取りやすくなるという当初の狙いだけでなく、生産性が上がる、新しいアイディアが生まれやすいといったメリットも報告されています。
近年は、チームビルディングやアイディア創出の一環としてワーケーションを導入する企業も増えてきました。
もちろんデメリットもゼロではありませんが、導入した企業の多くが効果を実感しています。今回は、ワーケーション受入の先進地域の事例を中心に見てみましょう。
ワーケーションについてもっと詳しく知りたいと言う方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
【ワーケーションについてもっと詳しく知りたい!】
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ワーケーションの受入地として日本でいち早くICT企業の誘致を始めたのが、和歌山県白浜町です。真っ白な砂浜が620mに渡ってのびる白良浜を中心に、年間340万人の観光客が訪れるリゾート地として知られています。
白浜町がサテライトオフィスやワーケーションの受け入れに力を入れ始めたのは、15年ほど前のこと。
リゾート地としての魅力に加え、羽田空港から約1時間で訪れることができるアクセスの良さや、対災害ネットワークとして以前から町内一帯にFree Wi-Fiが整備されていたりと、地盤は整っていました。
仕事も休暇も楽しめる環境を備えた白浜町が、平成16年に「白浜町ITビジネスオフィス」を開設すると、有名企業が次々と進出。サテライトオフィスやワーケーションの滞在先として人気を博す様子は、TBSのTV番組「がっちりマンデー」でも紹介されました。
では、実際に白浜町をサテライトオフィスやワーケーションの場として活用している企業をいくつかご紹介します。
ワーケーションを、Work×Vacationだけでなく、 Location、Motivation、Communication、Innovationといった言葉とも掛け合わせ、多様な可能性を見出している三菱地所。
「WORK×ation Site 南紀白浜」は、2019年に「白浜町第2ITビジネスオフィス」内に三菱地所が開設したワーケーション向けレンタルオフィスです。
広さ約60㎡、最大16名利用可能。プロジェクター、ホワイトボード、プリンター、ディスプレイなどを完備した一社貸切型です。
ビーチや繁華街からほど近く、地元農家との交流や星空観測ツアーなどのアクティビティもあり、仕事とバケーションの両方を充実させる要素は十分すぎるほど。
これまでに、NTT コミュニケーションズ株式会社、株式会社ギックス、株式会社三菱UFJ銀行などがオフサイトミーティングや開発型合宿に利用しています。
新型コロナウィルス感染拡大下で政府が推進する「ニューノーマル時代の働き方ガイドライン」。それを受けて、JTBはワーケーション導入を検討している企業とワーケーション受入地域とのマッチング事業や、ワーケーション関連コンテンツの開発に力を入れていくことを発表しました。
そのJTBも、ワーケーションスタイルの一つとして、先に紹介した「WORK×ation Site 南紀白浜」の利用を提案しています。
また、JTBでは他にも、沖縄県名護市にある「カヌチャベイホテル&ヴィラズ」での長期滞在型ワーケーションや、スノーピークビジネスソリューションズと神奈川県観音崎にある「観音崎京急ホテル」と協働で設営したCAMPING OFFICEなどの利用も提案。日本におけるワーケーションの浸透に期待を見せています。
「テクノロジーの民主化」を掲げ、中小企業から大企業まであらゆる規模・業種を対象にクラウドコンピューティング・サービスを提供しているセールスフォース・ドットコム。2015年に開設した白浜サテライトオフィスでは、インサイドセールス、つまり電話やメールなどを使って新しい契約を獲得する内勤営業を行っています。
白浜オフィスで働くメンバーは固定ではなく、基本は3ヶ月交代制。リゾートという非日常空間でのリフレッシュやマインドチェンジの機会が平等に与えられる上に、オフィス全体にもプラスの循環が生まれます。
2006年設立の大手飲食グループ、subLime。社員のモチベーションと会社の生産性を向上させることを目的として、2018年に「白浜ITオフィス」を開設しました。
同オフィスでの業務を「リゾートワーク」という新しい働き方として位置付け、子ども同伴でも働きやすい環境作りも工夫。グループ店舗への販売促進サポート業務(WEBマーケティング)やITを活用した飲食店の予約業務などを行っています。
IoT事業を核として「テクノロジーと自由な発想で未来を創る」を企業理念に掲げる、ウフル。2019年に「第2白浜町ITビジネスオフィス」と「南紀白浜空港ビル」に新拠点を開設しました。
和歌山県や白浜町、南紀白浜エアポート、日本電気株式会社(NEC)などと連携しながら、IoTを活用した手ぶら観光サービスや街全体に向けた「おもてなし体験」など、新事業および研究開発を進めています。
長期休暇を取得しやすくすることを目的として生まれた、ワーケーションという働き方。
しかしそれだけでなく、ワーケーションを導入する企業が増えるにつれて、気持ちがリフレッシュすることで生産効率が上がる・社員同士のコミュニケーションが活発になる・地方の企業や人材との繋がりが生まれるなど様々なプラスの効果が見えてきました。
白浜町にサテライトオフィスを置いたりワーケーション先として利用している企業からも、商談件数や契約金額が目に見えてアップしたという報告が上がっています。
また、白浜町を含め和歌山県の職員は、希望すれば「moconavi」というアプリを利用可能。通話やメールの送受信、カレンダーなどを公私分計で利用できるこのアプリを活用することでワークスタイルの幅を広げるなど、新しい働き方導入の実現に向けて県をあげて取り組んでいます。
新型コロナウィルス感染拡大を受け、変化を余儀なくされた働き方。この機会をチャンスととらえ、ワーケーションに限らず雇用する側・される側双方にとってプラスとなる方向へシフトチェンジしていきたいですね。
(引用元:PRtimes)
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