「6次産業」という言葉を耳にしたことがありますか?
1次産業(農作物や海産物の生産)×2次産業(加工)×3次産業(販売・流通)=6次産業。
つまり、生産者が2次3次まで手がけることで商品に新たな付加価値をつけることができるというもの。消費者と直接繋がれる、仲買人が間に入らないので売り上げがそのまま生産者に入るなど、生産者にとって大きな利益を生み出すとされています。
その6次化という言葉が生まれるもっと前から、6次産業に取り組んできたのが「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」。
「社員旅行をどんな目的で実施しようか」「社員旅行に参加する意義のある旅行にしたい」などなど、頭を悩ませている幹事さん必見!三重県「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」へ視察を兼ねた社員旅行はいかがですか?
おすすめの立ち寄り先やアクティビティなど、近隣スポットも合わせてご紹介します。
忍者の里として知名度の高い、三重県伊賀市。今回ご紹介する「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」は、その山間部に位置します。
今でこそ様々な体験ができるファクトリーファームとして注目を集めていますが、1983年、ウィンナーやハムの手づくり販売をメインに開業した当初は大赤字だったそう。ですが、ウィンナーの手づくり教室を始めた1989年を境に少しずつモクモクの名前が広まっていきました。
というのも、今や人気のアクティビティとして各地で開催されているウィンナーの手づくり体験教室を日本で一番最初に始めたのが、モクモクファームなのだそう!
そうして少しずつ知名度を上げ、ファンを獲得しながら、現在では直営農場と農産加工のほか、ファクトリーファームとしてのモクモクファームの運営(年間来場者数50万人!)や農産物の通信販売にも力を入れています。
6次化していくことで、「持続可能な日本の農業が次世代に受け継がれていける環境を整える」こと、『ロマンと夢のある21世紀型農業』を形作っていくことがモクモクファームのビジョンです。
伊賀市の山間部に位置するモクモクファームへは、京都や滋賀からなら車で1時間ほど、大阪や名古屋からだと1時間45分ほどで到着します。
電車を利用する場合はJR柘植駅が最寄りとなりますが、シャトルバスなどは運行していないため、駅からは15分ほどタクシーでの移動となります。
モクモクファームの敷地内には、本当に様々な施設があり、ウィンナー作りだけでなく様々な体験をすることができます。全部は紹介しきれないので、いくつかピックアップしてみましょう。
扉を開けるとそこは芳ばしくていい匂い!石窯でずっしりと重みのあるパンを焼いています。店内にはカフェもあるので、焼きたてをいただくこともできますよ。
1995年に東海地区初の地ビール工房として誕生して以来、のど越しではなく“味わい深い地ビール”づくりをしています。また、日本では大手以外でまれな麦芽工房もあり、麦芽からモルトを生産しています!
生きた酵母を味わってもらうために、熱処理もろ過もしないというこだわりのビールづくりは、見学自由となっています。
モクモクファームのハムやウィンナー作りは、「美味しさ」と「安全」が最優先。添加物や化学調味料はできる限り使用せず、膨張剤と増量剤については一切入っていません。
さらに、新たに生み出された「やさしい製品」シリーズは、添加物も化学調味料もゼロ!豚肉、食塩、砂糖、香辛料のみを使用しています。
ウィンナー作りは職人の“勘”が命だそう。そんなプロの職人たちの技を、ガラス越しに見学できるようになっています。
モクモクファームがあるのは伊賀市西湯舟。「湯舟」という地名の通り、ファームの敷地内にも温泉が湧き出ています。
内湯のほかに、地下1,000mから湧き出たそのままの源泉に浸かることができる「生源泉の湯」、米ぬかの成分で美肌効果のある「もくもくの湯」、天然の一枚岩をくりぬいて作られた「木の葉隠れの湯」と3つの露天風呂を楽しむことができます。
緑の木々に囲まれたもくもくの湯で、身も心もリラックス。毎週木曜日は“モクモクの日”ということで入湯料がなんと半額です!(※祝日除く)
ほかにも、手づくり体験教室ではあらびきウィンナー教室が通年で楽しめるほか、季節限定でパン作り、ブルーベリー摘みいちご摘み、
子ども連れならポニーの乗馬体験や、山羊や羊に牧草をあげる体験、子牛にミルクをあげる体験も人気。籾がらが敷き詰められた広場やザリガニ釣り、田んぼで泥んこ遊びも出来ますよ!
これだけ充実の施設と体験メニューが揃っていて、入園料は大人も子供も一律500円とワンコイン。さらに30名以上の団体なら一人450円で入園できます。(体験メニューは別料金、最小催行人数1名)
大赤字からスタートしながらも、農業の可能性を広げるために様々なチャレンジを続けているモクモクファーム。今では年間総売り上げ50億円、年間来場者数50万人、ファームでの買い物や宿泊がお得になるモクモクネイチャークラブの会員数は50,000世帯にものぼります。
自社の取り組みを自分たちだけのものにせず、“地域の農業、日本の農業を元気にする”を合言葉に視察の受け入れも積極的に行っていて、受け入れ数は1年間で300件5,000人!意外?なのは、視察に来る人々の多くは農業従事者や2次3次産業者ではなく、地域おこしに携わる人々だということ。もちろん、それ以外の目的での参加も歓迎です。
それでは、モクモクファームの3つの視察プログラムをご紹介しますね(料金は全て税込です)。
・500円/人
・モクモクの取り組みなどの概要説明(約1時間)
・園内の自由見学(ファーム入園券付)
※最小催行人数 5名(5名未満でのお申込みの場合は、1団体あたり2500円
・2,800円/人(昼食付き)
・モクモクの取り組みなどの概要説明(約1時間)
・お食事(約1時間)
・園内の自由見学(ファーム入園券付)
※最小催行人数 1名
1棟3名以上にてご利用の場合 12,750円/人
1棟2名 にてご利用の場合 16,500円/人
1棟1名 にてご利用の場合 26,950円/人
・2日分の入園券・夕食・朝食の2食と温泉付き
・モクモクの取り組みなどの概要説明(約1時間)+園内の自由見学(ファーム入園券付)
※宿泊の予約状況によっては、コテージが用意できない場合もあります。
概要説明では、創業から今までの取り組み、現状、今後の事業展開などのお話を聞けるほか、質疑応答や意見交換の時間も用意されています。また、別料金になりますが、どのプログラムにも各種体験教室をつけることができます。
宿泊場所はファーム併設の滞在型食農学習施設「OKAERiビレッジ」。宿泊者は「朝のひと仕事」と称して牧場での酪農仕事などに参加できたりととても楽しい宿泊施設なので、「OKAERiビレッジ」についてもこのあと詳しくご紹介しますね。
※視察プログラムでの食事は、とんかつとおそばのお店「農村料理の店もくもく」、バーベキュースタイルの「BuuBuuハウス」、ビュッフェ形式の「PaPaビアレストラン」の中から、ファーム側が設定してくれます。
ファーム併設の滞在型食農学習施設「OKAERiビレッジ」について、3つのポイント別にご紹介します。
OKAERiビレッジには38棟のドーム型コテージがあります。「いちごのお部屋」「とまとのお部屋」「牛さんのお部屋」「豚さんのお部屋」など農業に関わる名前がついた部屋は、それぞれ名前にちなんだ趣向が凝らされています。
例えば「豚さんのお部屋」には園内で暮らしているミニブタの紹介や生活の様子などの展示。「とまとのお部屋」にはモクモク農場で育てている9種類のミニトマトや2種類の大玉トマトの紹介、トマトのことが学べるプレートなどの展示と言った具合です。
可愛らしくてわかりやすい展示は泊まりながら食育にもなるので、子ども同伴の社員旅行にも良さそうです。家族が並んで寝られる川の字ベットや角の丸い家具が配置された「キッズコテージ」もあるりますよ(こちらは展示はありませんが、絵本や天然素材のおもちゃが完備されています)。
ビレッジ内で使う電力の一部に風車や太陽光で発電した電気を使っていたり、水洗トイレの水に雨水を利用するなど、できる範囲で環境に配慮した工夫をしています。こういった面でも、自分たちの会社でもできるエコな取り組みという視点で学べることがたくさんありそうです。
OKAERiビレッジに宿泊すると、農場の朝の作業に参加することができます。作業の内容は牛の乳しぼりや餌やり、馬小屋の掃除や馬のブラッシング、しいたけづくりのお手伝いなど様々。
作業開始は朝6時30分ごろ。早起きをして“ひとしごと”終えたあとの朝食は、きっといつもよりも美味しく感じられますよ。もちろん強制ではありませんので、安心してくださいね。
伊賀といえば忍者!伊賀流忍者博物館では、江戸時代末期の土豪屋敷を移築した「忍者屋敷」でカラクリ体験ができたり、「忍術体験館」「忍者伝承館」で本物の忍者道具や資料を見ることができます。
また、観覧料や体験料を払えば“忍者集団 阿修羅”による忍者ショーや手裏剣うち体験も楽しむこともできます。
忍者の里に行くからにはぜひ訪れたいアツいスポットです!
<住所> 〒518-0873三重県伊賀市上野丸之内117
<開館時間> 9時〜17時(受付は16時30分まで)
<休館日> 12月29日〜1月1日
<問い合わせ> 電話 0595-23-0311
大阪城と並んで日本一高い石垣を持つ伊賀上野城。その高さは約30mにも及びます。
建てたのは築城の名手とされる藤堂高虎氏。当時の雰囲気を色濃く残す城内では、武具や甲冑といった藤堂家ゆかりの展示品の数々を見ることができます。
最上階から見渡す城下町の街並みは壮観!美しい木造の天守閣も見事です。
最上階の「天井絵巻」も見所です。天井にはめ込まれた46枚の色紙は、日本画家の横山大観など有名な画家、書家、政治家などによるもので、天守閣竣成を祝って寄贈されました。
<住所> 〒518-0873 三重県伊賀市上野丸之内106
<開館時間> 9時〜17時(入館は16時45分まで)
<休館日> 12月29日〜12月31日
<お問い合わせ> 公益財団法人 伊賀文化産業協会 電話 0595-21-3148
日本の伝統家屋・茅葺家屋の宿泊施設「ささゆり庵」は、1日1組限定の貸切宿泊施設。1号店「蔵王」と2号店「小角(おづぬ)」それぞれ10名まで宿泊することができます。
「蔵王」は200年前の茅葺家屋を修復したもので、伝統を受け継ぎながら近代の良さも取り入れることで、趣と快適さを絶妙なバランスで両立させています。囲炉裏部屋から眺める棚田の美しい風景はこれ以上ない贅沢です。
「小角」は新しく建てられた茅葺家屋で、敷地内には100年前に作られたという茶室が配されています。さらに、「枯山水石庭」「日本庭園」「茶庭」と3つの庭も設けられ、そこが宿であることを忘れてしまいそうです。
所在地こそ奈良県と県をまたぎますが、モクモクファームから車で40分ほどの距離。社員旅行にしては料金がお高くなってしまいますが、座禅や伊賀焼き体験、エコツアーなど充実のワークショップメニューもあり、ささゆり庵ならではの貴重な時間を過ごせそうです。
<住所> 〒632-0203 奈良県宇陀市室生深野652
<問い合わせ> 電話 0745-97-2111/FAX 0745-97-2112
日本で初めて手づくりウィンナー教室を開催するなど、早くから農業の6次化に取り組んできたモクモクファームでの視察兼社員旅行。「日本の農業の未来ために」というビジョンに共感する人なら、地域おこしや農業に携わる人だけでなく、加工や流通業者、そして消費者など様々な視点から学べることがありそうです。
工房の見学や手づくり体験など社員旅行のアクティビティとして楽しめるメニューも豊富ですし、会員制度や貸し農園、ネットショップもあるので、社員旅行で訪れた後も自分達に合った形で関わり続けていけるのも魅力です。子ども連れでの参加者が多い、印象に残る旅行にしたいと言う場合にもおすすめです。
・早くから日本で農業の6次化に取り組んできた先駆者の話を聞ける
・各方面での数々の受賞歴あり!
・お肉、野菜や果物、そしてビールと見学できる工房や体験できるアクティビティがたくさんある
・温泉から田んぼでの泥んこ遊びまで、老若男女楽しめる充実の施設
・宿泊施設でもユニークな体験や学びがたくさん!
・旅行後も関わり続けられる仕組みがある
■写真提供・取材協力
伊賀の里 モクモク手づくりファーム
<住所>三重県伊賀市西湯舟3609
<電話>0595-43-0909(9時~18時受付)
<アクセス>
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