最近よく耳にする「地域活性化」ということば。
グリーンツーリズムやエコツーリズムなど、自然豊かな地方へでかけて都会では体験できないことや地元の人の交流を楽しむ旅の形も注目を集めています。
そんな中、四国の小さな村で起きた奇跡。
人口1,000人にも満たない村民たちが、ゆずで村おこしを行い、年商33億円をあげています。
その村は高知市内から車で約2時間の場所にある「馬路村(うまじむら)」。その昔、馬でしか行く術がなく、それが村の名前にもなったとも言われています。
過疎化が進んでいた村で、そこで暮らす人たちが一致団結して取り組むビジネス。それは、社員たちが心を一つにして、仕事を進める姿勢に通じるものがあります。
いかにして馬路村がビジネスチャンスをつかみ、発展してきたのか。そのヒントを探りに、社員旅行で訪れてみてはいかがでしょうか?
馬路村は山と川に囲まれ、過疎化が進んだ村。徳島県との境に位置しています。
平成7年の市町村大合併の波を受け、馬路村も選択を迫られました。その結果、村民が選んだのは合併せずに「単独で生き残る」こと。
村が生き残るために取り組んだのが、特産品である「ゆず」とそれを使った商品開発でした。
馬路村の地域活性のコンセプトは、「名前も知らない村の特産品は売れない。名前を知らない村へは遊びに行けない。まずは村を売る」。
この「馬路村をまるごと売り込む」戦略で、商品とともに村の豊かな自然や子供たちの表情をポスター、パンフレットなどにふんだんに使用。
結果、全国各地から年間200~300団体の視察団を含めた6万人の観光人口と、馬路村の活性化を実現。
昭和55年頃の売り上げは約3千万円、平成1年は約1億円だったものが、平成26年には約33億円の売り上げを誇るまでに成長しました。
馬路村のこの戦略は6次産業化の優良事例としても評価され、2013年に開催された「第1回6次産業化推進シンポジウム」において、食料産業局長賞を受賞しています。
この馬路村が取り組んできたビジネスモデル、会社の新しいビジネス創生のヒントや組織力強化につながるかもしれませんね。
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実は馬路村、特別村民を募集しています。
「特別村民」とは、「馬路村のファンになってもらおう」とスタートした制度ですが、すでに全国で1万人以上の登録者数を突破!
「特別村民」の特典は以下の4つ。
・馬路村村民と同じ気持ちになれる
・特別村民用の住民票が届く
・ときどき、村の行事等が載った広報誌が届く
・来村時に特別に村長と一緒に村長室で「ごっくん馬路村」が飲める
これまでに1,000人以上の特別村民が、村長室を訪れ、一緒に「ごっくん馬路村」を飲んでいるそうですよ。
もし社員旅行で馬路村を訪れるなら、ぜひ職員で特別村民登録をして、村長室を訪ねてみたいですね!
馬路村でゆずを生産している農家はすべて、化学系肥料、農薬、除草剤などの薬剤を一切使用せずに、有機栽培を行っています。
手間暇かけて育てられ、収穫したゆずの加工品を製造しているのが「ゆずの森」です。
「ゆずの森」は誰でも見学でき、馬路村のファンを育てようという思いで造られた拠点。
美しい馬路村の自然を楽しんでもらいながら、地元の特産品でもある魚梁瀬杉(やなせすぎ)を使用して建てられた工場へと誘う、魅力的なスポットになっています。
ゆず製品加工場見学そのものは、じっくり見ても30分ほどで廻れるが内容が濃い!
受付ロビー脇の通路(見学コース)壁にある「はじまりが、あった」という手書きの歴史は必読。
大ヒット商品のポン酢しょうゆ「ゆずの村」や、村の公認飲料として有名になった「ごっくん馬路村」はここで作られています。
実はゆず、植えてから実がなるまで18年もかかるそうです。しかも有機肥料による土づくりはすぐには結果がでません。
そんな中、10年先、20年先を見据えて、有機循環農法へと舵を切った馬路村。搾り終わったゆずはたい肥にし、自然の循環の中で「力のある土壌」作りに村一丸となって取り組んできました。
その結果が実り、馬路村ならではの香り高い、おいしいゆずが収穫できるようになったそうです。
馬路村ブランドを代表する「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」、村民好みに仕上げた「ぽん酢しょうゆ 1000人の村」など、ポン酢しょうゆだけで4種類。
馬路村公認ドリンク「ごっくん馬路村」や、ゆずをそのまま絞った香り高い「ゆずしぼり」、お料理にピリッと香りのアクセント「青オニゆずこしょう」など、魅力的な加工品がいっぱいそろっています。
さらに食べ物だけではなく、入浴剤やスキンケア商品、ゆずの種子を絞って作ったシードオイルなど、次々ユニークな製品が開発されています。
ここでしか育たないゆずを育て、ここでしか買えない商品を開発する。
村の中で製造、加工、販売まですべてに妥協せず、心を一つに取り組む姿勢。
工場見学や商品に触れることで、馬路村を「ブランド村」へと成長させてきた原動力を間近で実感できることでしょう。
農産物直売所や「まかいちょって家」で買えますので、ぜひお土産に「馬路村の心」も持ち帰ってみてはいかがでしょうか。
<取材協力> 馬路村農業協同組合 |
馬路村の魅力は昔からの美しい自然が残されていること。村の総面積の約96%は山林に覆われているという林業の村でした。
村の特産である「魚梁瀬杉(やなせすぎ)」は日本三大杉美林の一つで、高知県の県木にも指定されているそう。
また「美肌の湯」といわれるアルカリ性の泉質「馬路温泉」もあります。
馬路村の視察を兼ねて、楽しくその魅力に触れられる観光スポットとアクティビティをご紹介します。
村の総合案内所で馬路村のことなら何でも分かる場所。ゆず関連商品やエコアス馬路村の木工芸品など村の産品はすべて揃います。「むらの案内人クラブ」のガイド手配もここでできます。
住所:高知県安芸郡馬路村馬路382-1
TEL:0887-44-2333
営業時間:9時~17時
定休日:12月30日~1月3日
「馬路村公認むらの案内人クラブ」ガイド料:4,000円より
※ガイド先や所要時間、参加人数により異なります。
馬路温泉の山の斜面に取り付けられた、水の重さを利用した無動力のケーブルカー、インクライン。かつては木材の運搬に使われてきた方法を観光用に再現しました。
運行は日曜日と祝日。8月は毎日運行予定(雨天運休)です。
山の上からは、馬路村を一望できます。
問合せ先:馬路温泉 0887-44-2026
運行時間:8時30分~16時30分
料金:大人1人400円(所要時間往復約20分/定員8名)
馬路温泉前にある「馬路森林鉄道」は、西谷川沿いの約300mのコースを2周する観光列車です。
昭和30年代までは魚梁瀬杉の運搬に活用されてきた蒸気機関車を再現。
平成29年度に馬路村の他、高知県中芸地域5町村の歴史と景観、食文化「森林鉄道から日本一のゆずロード」が日本遺産に認定されています。
運行は日曜日と祝日。8月は毎日運行(雨天運休)です。
問合せ先:馬路温泉 0887-44-2026
運行時間:8時30分~16時30分
料金:大人1人400円(所要時間往復約8分/定員15名)
馬路村魚梁瀬地区にある千本山。樹齢200~300年の天然巨大杉(魚梁瀬杉)が林立する美しい山です。
登山口の橋を渡ると出迎えてくれるのは山のシンボルである「橋の大杉」。林野庁指定「森の巨人たち100選」にも選ばれ、樹齢は250年以上、樹高は54m、胸高直径は2m以上もあるそうです。
さらに山の奥へと進むと、次々と杉の巨木やヒノキ、ブナ、トガサワラなどの木々が現れ、神秘的な雰囲気。推定樹齢800年という「お化け杉」にも出会えますよ。
「魚梁瀬山の案内人クラブ」ガイド問合せ先:馬路村魚梁瀬支所(0887-43-2211)
社員旅行の宿泊先は、馬路村で唯一の宿泊施設の「馬路温泉」へ。弱アルカリ性の肌に優しい泉質で、美肌の湯として評判の温泉は、女性社員にも満足してもらえるはず。
冬至の時期はゆずを浮かべた「ゆず風呂」や、5月にはクレオパトラも大好きだったといわれる「バラ風呂」の日など、特別企画もあるそうですよ。
宿泊は、本館、別館、バンガローと3タイプあり。どの部屋からも、深い緑の山並みと清流を眺めることもでき、日頃の疲れを癒してくれそう。社員旅行の予算を抑えたいなら、一人当たり3,000円で宿泊できるバンガローがおすすめです。
本会2階には広々としたホールがあるので、夜はここで宴会もOK。
夕食。朝食(料金別途)は、ゆずを使った郷土料理の数々と、地元の清流で獲れた新鮮な川魚が楽しめます。
おすすめは山菜や鮎、アメゴなどを使った「田舎寿司(要予約)」。ゆず酢を聞かせた酢飯にタケノコ、しいたけ、みょうが、りゅうきゅう(ハスイモ)などを使った山のお寿司です。
高知ならではの皿鉢料理をわいわい楽しんでみては?
道が狭い馬路村では、機動力のある自転車で回るのもおすすめ。1日200円で利用できます。
創立は平安時代までさかのぼるという国指定の文化財、金林寺薬師堂(こんりんじやくしどう)を訪れてもいいですし、鮎が泳ぐ清流、安田川の流れに癒されてみてもいいですね。
コミュニティセンターうまじ 馬路温泉 [日帰り温泉利用の場合] |
馬路村への社員旅行は、秋のゆず収穫シーズンがおすすめ。旬の時期なら収穫体験を希望することもできます。
そして、村が最もにぎわうのが年に1度の収穫祭、11月に開催している「ゆずはじまる祭り」です。2018年も11月3日に行われました。
ゆず香る村を丸ごと楽しめるお祭は、なんと人口900人弱の村に4000人を超す行楽客が訪れるといいます。
お祭りでは、ゆずの村の自信飯「馬路寿司」や安田川の女王「鮎飯」、つきたて餅、やまいも汁などの屋台が登場。
そしてなんと、馬路温泉、魚梁瀬温泉のゆず風呂無料開放や「ごっくん馬路村」が飲み放題と大盤振る舞いです。
搾りたてのゆず酢が超特価で販売されるなど、馬路村の魅力をたっぷり満喫できるお祭り。
タイミングがあえば、ぜひこの時期に訪れたいですね。
馬路村を訪れる1泊2日の社員旅行プランと費用概算を、東京発着で組み立ててみました。
もちろん、大阪発、名古屋発など、ご希望の発着地からお見積りをとることもできますので、「社員旅行net」から気軽に問い合わせてくださいね。
時間 | スケジュール |
11:25 | 羽田空港発(飛行機) |
12:55 | 高知龍馬空港着(貸切バス利用) |
14:30 | 馬路村役場(特別村民手続き) |
15:00 | ゆずの森加工場見学 |
16:00 | 馬路温泉チェックイン |
16:30 | 自由行動・馬路村散策(レンタサイクルなど) |
18:30 | 夕食 |
【2日目】
時間 | スケジュール |
9:00 | チェックアウト |
9:30~12:00 | <オプショナルプラン> ・魚梁瀬森林鉄道の遺構巡り(約1~2時間) ・里山風景散策(約1時間) ・ゆずの森加工所でアロマクラフト体験(1人500円) ・インクライン/森林鉄道体験(休日のみ営業) ・エコアス馬路村(木工所見学/3,000円より)など |
12:00 | 馬路村出発 |
15:20 | 高知龍馬空港発 |
16:35 | 羽田空港着 |
◆参加人数20名分の予算目安
・飛行機代 羽田⇔高知龍馬空港 26,000円前後(スーパーバリュー45 or 先得割引利用)×20名=520,000円前後
・貸切マイクロバス利用(2日間) 115,695円前後
※バス駐車場、ドライバーの宿泊費(1泊2日2食付き)が別途かかります。
・宿泊代(バンガロー利用の場合)4,100円×20名=82,000円
・2日目昼食代(馬路温泉前駅弁当)1,000円×20名=20,000円
★費用合計:737,695円前後 1人当たり36,885円
◆オプショナルプランの費用目安
・魚梁瀬森林鉄道の遺構巡り(約1~2時間) ガイド付き4,000円より
・里山風景散策(約1時間) ガイド付き4,000円より
・木工所見学(約30分/10名以上料金)5,000円(税込)
※時期や人数により見学できない場合があります。
・森林鉄道 400円×20名=8,000円
・インクライン 400円×20名=8,000円
・アロマクラフト体験(ゆずの種の美容液や石けんなど)500円×20名=10,000円
こちらの料金はあくまでも概算です。プラン内容によって変わりますので、お気軽に「社員旅行net」にご相談ください!
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