今回、「社員旅行net」編集部が紹介するのは、ストレスを解消して社員の皆様に心身ともにリフレッシュしていただくための社員旅行プランです。
以前に、社員旅行で伊勢神宮の団体参拝プランを紹介しましたが、今回はお寺への社員旅行プランです。お寺では、阿字観(あじかん)と呼ばれる瞑想や、般若心経を筆で書き写す写経体験ができるところがあります。
畳の上で呼吸を整え、ひとつのことに集中する。ただそれだけの体験でも、体験した人からは「スッキリした」「体が軽くなった」といった声が多く聞かれます。
そこで、今回「社員旅行net」がおすすめするのが、パワースポットとしても注目されている高野山への社員旅行です。
非日常の空間で、日本の歴史や文化に触れるだけでもリフレッシュできそうですが、お寺や宿坊での阿字観や写経などの修行体験は、さらにその効果を高めているよう。
高野山で神気あふれる空気を吸って、宿坊に泊まって体にやさしい精進料理をいただく。そんな心身ともに癒される社員旅行プランを詳しくご紹介します。
まず、高野山での宿泊は「宿坊(しゅくぼう)」をおすすめします。宿坊とは、お寺や神社の宿泊施設で僧侶や参拝者が泊まるための施設のこと。
お寺といっても、現在の宿坊は宿泊施設としてのサービスも充実してきており、一般の観光客の受け入れも増加。高野山には多くの寺院があり、そのうち50のお寺が参詣者のための宿坊施設を整えています。宿坊を社員旅行で利用している企業も多くありますよ。
宿坊では、宿坊に到着した瞬間から、高野山の修行僧たちと触れ合う機会があります。その所作や会話から日常では感じ取ることができない感動を覚えるはず。また、歴史ある建築や美しい庭園を楽しみ、精進料理をはじめ、阿字観、写経、朝の勤行といった体験ができるのも魅力です。
社員旅行で高野山を訪れ宿坊に泊まった友人が「心の洗濯ができた」と話しているのを聞き、羨ましく感じたもの。非日常を感じられる高野山の宿坊での体験の数々は、訪れた人々の心を自然と癒してくれるものになりそうですね。
次の段落で、宿坊で体験できるいくつかの修行体験を紹介します。
写経(しゃきょう)とは文字通り、般若心経の経典を書き写すこと。弘法大師は著書の中で、般若心経について、「文章全体は一枚の紙を満たす程もなく、行数にすればたった14行にすぎない。簡単でも要領を得ておりその内容は深い」とおっしゃってます。
また、心静かにお経を書き写すことで、仏様の功徳をいただけるとのこと。心を込めて書いていると、仕事や人間関係でのストレスなど、雑念も払われそうですね。字が上手い下手は関係ありませんから、安心してやってみてください。(料金の目安:1,000円/人)
阿字観(あじかん)とは、弘法大師によって考案された密教の瞑想法のことを言います。無になることを目的とする禅宗の坐禅とは違い、「大日如来=宇宙」と一体になることをイメージする瞑想で、梵字(ぼんじ)の「阿」が書かれた軸の前で行います。
とても奥の深い瞑想法なので、宿坊によっては、最初の体験では阿字観の基礎編となる「数息観(すうそくかん)」や「阿息観(あそくかん)」から教えていただく場合もあります。経験した人の中には、「ロウソクが灯る和室で瞑想するだけで、心が落ち着いた」と話す人もいます。(料金の目安:1,000円/人 1時間)
※「写経」と「阿字観」は、宿坊以外に総本山金剛峯寺でも体験することができます。
宿坊で毎朝行われる勤行(ごんぎょう)とは、御本尊の前で読経や礼拝のお勤めをすること。朝6時か6時半ぐらいからのスタートで、宿坊によって始まる時間、内容は多少異なりますが、声明(しょうみょう)や読経の声が響き渡り、高野山の一日のはじまりを感じることができます。またとない機会なので、参加することおすすめします。
そして、宿坊といえば「精進料理」も楽しみですね。精進料理とは、仏教の禁制にしたがった食事のこと。
基本は一汁一菜とごはんですが、参詣者がいただく料理は、二の膳、三の膳があり、ボリュームがあります。でも、肉や魚を使わず、野菜や山菜が中心なので、体への負担が少なく、夕食と翌日の朝食と2回の精進料理をいただいただけで、体が軽く感じられます。
一般社団法人高野山宿坊協会 宿坊宿泊について問い合わせしたい場合は、こちらへ問い合わせを。 住所:和歌山県伊都郡高野町高野山600番地 TEL:0736-56-2616 |
宿坊の魅力や修行体験をまず紹介しましたが、社員旅行プランを検討する前に、「高野山」全体についても、少し予習をしておきましょう。
高野山は、真言密教の開祖・弘法大師(空海)が開いた霊場です。でも、高野山という名前の山はありません!?「高野山」とは山号で、標高約1,000m級の山々に囲まれた盆地を指し、高野山全体がお寺となっており、「総本山金剛峯寺(そうほんざんこんごうぶじ)」と呼ばれています。
総本山金剛峯寺は、高野山真言宗の総本山で、全国真言宗の総本山でもあり、全国3,600に及ぶ末寺の宗務を執っています。
高野山を開いた平安時代の僧・弘法大師(空海)が世に広めた教えが密教。「密教(みっきょう)」とは、ひとことで言えば、秘密の仏教という意味。大切な教えや真理を書物に残さず、口伝されてきたからと言われています。
弘法大師(空海)は31歳で中国に渡り、真言密教の祖・恵果阿闍梨(けいかあじゃり)より、密教のすべてを受け継ぎ、日本に帰り真言宗の開祖となりました。
耳にしたことがあると思いますが、空海といえば「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」。即身成仏とは、心に仏を思い、真言を唱え、印を組むことで、仏と一体になれるという考え方です。
禅宗の坐禅は心を空っぽにして瞑想をしますが、それに対し、密教では仏をイメージしながら瞑想します。そして、そのイメージを手伝ってくれるのが、「胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)」と「金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)」の2つの曼荼羅です。
「授戒(じゅかい)」とは、仏さまの教え(戒)を頂く儀式で、高野山らしい体験(修行)のひとつ。入壇料500円をお供えすると、誰でも参加できます。
授戒の「戒」は決まりごとというよりも、「自らのこころが本来的に持っている自発的な働き」のことを指しているそう。この世で生きていく上で「表面的なルールを犯さなければ良い」というものではなく、その行いをしている自分自身のこころがどのような状態であるかを見つめ、こころを育んでいきます。
仕事、プライベート、ふだんの自分の生活に置き換えると、さまざまな気付きがあるかもしれませんね。
[授戒体験] 場所:高野山大師教会・授戒堂 実施時間:9:00/10:00/11:00/13:00/14:00/15:00/16:00 ※各回30分 実施時間の10分前までに受付を済ませること 定員:200名 入壇料:500円/人 |
東西約3km、南北約2kmもの広さを誇る高野山。境内には100以上ものお寺がありますが、その中でも訪れたいのが二大聖地と呼ばれている「檀上伽藍(だんじょうがらん)」と「奥の院御廟(おくのいんごびょう)」、そして高野山全体の一切の宗務を司る「金剛峯寺」の3つのエリアです。
高野山巡りの出発は高野山総門の「大門(だいもん)」からがおすすめ。両脇には日本で2番目の巨像と言われる金剛力士像(仁王像)が立ち、迫力のある表情で出迎えてくれますよ。
大門から出発して約1kmほど歩くと「中門(なかもん)」が見えてきます。この中門をくぐると、密教の修行道場「壇上伽藍(だんじょうがらん)」の聖域。
境内には、高野山のシンボルと言われる根本大塔(こんぽんだいとう)をはじめ、金堂(こんどう)や不動堂、西塔、東塔などの国宝や重要文化財に指定されている建物、そして弘法大師がお住まいになったとされる御影堂(みえどう)など、19の建造物が建ち並びます。
■根本大塔(こんぽんだいとう)
弘法大師が真言密教を広めるために、日本の国の柱として建てた日本最初の多宝塔・ご本尊は胎蔵界大日如来(たいぞうかいだいにちにょらい)で、大塔内陣は曼荼羅の世界を立体的に表現しています。※拝観料:200円
■金堂(こんどう)
重要な行事が行われる高野山の総本堂。ご本尊は秘仏となっている高村光雲が作った薬師如来。※拝観料:200円
金剛峯寺内には、弘法大師を祀る大きな主殿をはじめ、護摩堂、阿字観道場、茶室、住職の居間など数々の部屋があります。
ちなみに、金剛峯寺の住職は「座主(ざす)」と呼ばれ、高野山真言宗管長が就任することになっています。金剛峯寺は座主の住居でもあります。
重要な儀式が行われる大広間には、持仏間(じぶつま)があり弘法大師が祀られ、両側には歴代天皇御尊儀がの位牌や歴代座主の位牌が祀られています。※金剛峯寺 拝観料:200円
また、国内最大級の石庭といわれている「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」には龍と雲海が表現されています。
奥の院の入り口である一の橋から御廟(ごびょう)まで約2kmの霊域を奥の院といいます。高野山の半分を占める奥の院の長い参道には、樹齢約700年の杉木立がそびえ、皇族、諸大名、文人や庶民にいたるまで、あらゆる階層の人々の墓石や祈念碑、慰霊碑が建ち並んでいます。その数は20万基を超えると言われ、多くの伝説が残っています。
そして、御廟橋(ごびょうばし)から先が、弘法大師入定の地であり、大師信仰の中心といわれる聖地になります。
弘法大師御廟の拝殿となる「燈籠堂(とうろうどう)」には、千年近く燃え続けている「消えずの火」があり、弘法大師が生きてなお、人々を救済していることを表しているかのよう。
高野山宿坊協会では、金剛峯寺が主催する試験に合格した「金剛峯寺境内案内人」によるガイドを案内してくれています。より深く高野山を知るためにも利用されることおすすめします。
場所 | 時間 | 料金 |
壇上伽藍 | 60分以内 | 3,000円 |
金剛峯寺 | 60分以内 | 3,000円 |
奥の院 | 120分以内 | 6,000円 |
霊宝館・大師協会 | 90分以内 | 2,000円 |
大門・徳川家霊台 | 60分以内 | 2,000円 |
その他 | 2,000円 |
<問い合わせ>
高野山宿坊協会:0736-56-2616
夜の闇に包まれた高野山を有資格者のガイドとともに参詣することもできます。参加する場合は、宿泊する宿坊の門限時間を確認しておくようにしましょう。
宿坊のひとつ「恵向院(えこういん)」が主催しているのが奥の院のナイトツアー。奥の院は24時間参拝可能ですが、お墓が建ち並ぶ参道を個人で歩くのは勇気がいりますよね。昼間とはまったく違った景色のなか参詣すると、高野山の新たな魅力が発見できそう。興味がある方は参加してみてください。※19:15出発/約1時間15分/2,000円
もっと深く高野山を体験してみたい社員旅行プランを希望する場合は、高野山で春と秋に行われている結縁灌頂(けちえんかんじょう)を目指して、高野山を訪れることをおすすめします。春は胎蔵界結縁灌頂(たいぞうかいけちえんかんじょう)、秋は金剛界結縁灌頂(こんごうかいけちえんかんじょう)となります。
結縁灌頂とは、ひとことで言えば、真言密教における仏様とご縁を結ぶ最も尊い儀式で、宗派を問わず、どなたでも参加することができます。
高野山真言宗 総本山金剛峯寺 結縁灌頂専用ページ
■春季結縁灌頂(胎蔵界結縁灌頂):毎年5月3日~5日 ※料金:事前予約申し込み:1人5,000円(税込)/当日申込 1人7,000円 総本山金剛峯寺 |
また、2018年11月(23・24・25日の3日間)、東京(高輪)にある高野山東京別院でもこの結縁灌頂が行われることになりました。
はるばる和歌山県の高野山まで行かなくても、参加できるとあって話題になっているようですよ。※事前予約申し込み 1人10,000円(税込)/当日申込 1人12,000円
※記事で紹介さいれている内容・金額は2018年10月時点のものです。最新の情報は公式ホームページを参照してください。
高野山を体験する社員旅行プランを大阪発着でご案内します。この他の地域の発着につきましても、「社員旅行net」にお気軽にお問い合わせください。
時間 | スケジュール |
9:30 | 大阪発(貸切バス利用) |
11:30 | 高野山着/昼食 |
12:30 | 金剛峯寺(こんごうぶじ)ガイド(約60分) |
13:45 | 壇上伽藍(だんじょうがらん)ガイド(約60分) |
15:00 | 授戒(約30分)高野山大師教会・授戒堂にて |
16:00 | 宿坊チェックイン |
17:00 | 夕食(精進料理) |
20:00 | 写経体験など |
5:30 | 起床 |
6:00 | 朝の勤行(30~60分) |
7:30 | 朝食 |
9:00 | チェックアウト |
9:30 | 奥の院ガイド(約2時間) |
11:30 | 自由行動(散策・阿字観などの体験)/昼食 |
14:30 | 高野山出発(貸切バス利用) |
16:30 | 大阪着 |
<参加人数20名分の予算目安>
・貸切マイクロバス送迎利用(行き帰り) 125,583円前後
※バスはいったん車庫に戻るので、2日間の往復高速代、バス駐車場(利用した場合)が別途かかります。
・宿泊代(1泊2食) 約15,000円×20名=300,000円
・金剛峯寺ガイド代:3,000円
・壇上伽藍ガイド代:3,000円
・奥の院ガイド代:6,000円
※拝観料、修行体験代は別途
・2日間 昼食代 1,300円×20名=26,000円×2日間=52,000円
★費用合計:489,583円前後 1人当たり24,479円
こちらの料金はあくまでも概算です。プラン内容によって変わりますので、お気軽に「社員旅行net」にご相談ください!
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