突然ですが会社員のみなさん、「喪中」のマナーはご存知でしょうか?
「社長が亡くなった場合、会社(法人)として喪中になる?ならない?」
「会社として喪中はがきと年賀状どちらを出せばいい?」
「自分が喪中なんだけど、同僚にどう挨拶すればいい?」
などなど、喪中の時の会社での振る舞い方や喪中はがきの出し方がわかる方は、この記事は役に立たないかもしれません。。
会社員になってはじめて経験する「喪中」がよくわからない!という方に向けて、ビジネスマナーの基本をおさらいします。
社長や社内の人物がなくなった場合、会社として「喪中」になるのか?
答えは「喪中」にはなりません。
創設者や代表取締役、社長が急に亡くなったとしても、会社(法人)としては通年通り、年賀状を出して新年の挨拶を行います。
また社長の親族が亡くなった場合でも同じ、会社として喪中とはなりません。あくまで個人が「喪中」になるということであって、「公私」は分けて考えます。
ただし、家族経営のような規模の小さな同族企業の場合は、話が異なってきます。
家族や親族で経営している会社の場合、「社長が亡くなった」ということは「一家の主が亡くなられた」ことだと取引先も把握します。この場合は公私を分けず、12月初旬までに得意先へ「年賀欠礼の挨拶」を出してもかまいません。
個人名と共に会社名も明記しておきましょう。
社長が亡くなった場合、「会社として」年末年始の行事をどこまで行うのか?迷うところですね。喪中の時の「お歳暮」「お正月飾り」「忘年会新年会」の3つのケースを見ていきましょう。
そもそも「お歳暮」とは慶事の贈り物ではなく、普段お世話になっていることへの感謝の気持ちを表す贈り物となります。お中元もしかり、です。
喪中であろうと会社の取引先にお歳暮を贈ることには、何も差し支えはありません。
ただ「気持ち的に控えたい…」ということなら、四十九日法要が過ぎてから贈りましょう。お歳暮なら「寒中見舞い」として、お中元は「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として贈るようにします。
事前にその旨、先方に伝えておいてもいいでしょう。
前述の通り、会社として喪中にはならないので、例年通り正面玄関に門松などの正月飾りを置いてもマナー違反ではありません。
ただし、個人経営で一家の主である社長がなくなった場合は控えてかまいません。この場合は12月初旬までに喪中はがきを出し、新年の挨拶を欠礼することをあらかじめ伝えておきます。
会社の規模に関わらず、社長が亡くなられた年の忘年会や新年会などの宴会は自粛するところが多いようです。
その代わりとはなりませんが、葬儀が済んでから「偲ぶ会」や「お別れの会」などを開き、故人をしのびながら酒を酌み交わすこととなります。
友人や同僚同士、また部署ごとに少人数で開かれることも多くあるようです。
次は「自分が喪中」の場合、年末年始の行事はどこまでがOKなのか?ビジネス上でのお付き合いを見ていきましょう。
身内に不幸があって喪中の場合、会社の人やビジネス上でお付き合いをしている方に「喪中はがき」を出すのか?迷うところです。
まずは身内のどこまでを「喪中」とするのか?を考えましょう。
一般的に喪中とは「二親等までが亡くなられた場合」とされています。
二親等とは「祖父母、兄弟姉妹、孫」まで。ちなみに「一親等」は本人と配偶者の親、子供となります。
二親等の「配偶者の祖父や祖母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者が亡くなった」場合、会社の人に喪中はがきを出すべきでしょうか?この問題は、それまで故人とどう関わってきたのか?にもよります。
会社の人や取引先に限れば「喪中はがき」は出さずに、年賀状で新年の挨拶をしても良いとされています。
プライベートでも付き合いがあり、毎年年賀状を出し合っているような間柄には「喪中はがき」を出すようにします。
あくまで「ビジネス上だけの付き合い」と考えて、二親等の喪中なら年賀はがきを出してしまう、という方も少なくないようです。公私をはっきりと分ける、という意味では許容される範囲内かもしれませんね。
一親等が亡くなった場合は、そうはいきません。葬儀の日取りなどで会社を休むこともあるでしょう。
この場合は会社関係にも「喪中はがき」を出してもいいかと思います。
仕事初めに職場でなんと年始の挨拶すればいいのでしょうか?
まず「明けましておめでとうございます」とは言いません。
「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします」でいいでしょう。
逆の立場で、同僚や上司の身内に不幸があった場合も「新年おめでとう」とは言いません。
「今年もよろしく」のみの挨拶としましょう。
ここでは一般的な「喪中はがきのマナー」について、おさらいしてみましょう。
本来、喪中はがきとは「身内に不幸があり、新年のご挨拶ができません」ということをお知らせするための挨拶状であって、訃報を伝えることが主ではありません。
喪中はがきを出す時期は、11月中旬から12月初旬までが望ましい、とされています。その理由は「先方が年賀状の準備を始めてしまう前にお知らせすべきだから」です。
この時期に喪中はがきを出せなかった場合は、寒中見舞いとして挨拶をするも一般的。季節の挨拶とともに、近況報告のできる寒中見舞いを活用しましょう。
喪中の時に年賀状をもらった場合、返事をしないのはなんだか申し訳ないですよね。そんな時にも寒中見舞いとして、ひとこと挨拶をしておくのがいいでしょう。
喪中はがきのデザインはもちろん、華美であってはいけません。そして、年賀はがきでは出さないように。年賀はがきは、新年の挨拶をするものです。
あれこれ考えてオリジナルではがきのデザインをするのもいいですが、定型文を利用するのが間違いないでしょう。
今はネット上に無料のテンプレートがいくつもアップされています。郵便局のサイトにもデザインはもとより、文例まで用意されたものがあります。うまく活用しましょう。
喪中はがきはテンプレートを利用するのが楽ですが、相手に合った文例を選ぶ必要があります。会社関係の人にも送れる、喪中はがきの文例を紹介します。
まず、喪中はがきの文例は大きく分けて3つの構成となります。
(1)喪中につき年末年始の挨拶ができない旨を文頭で伝えます。
(2)中盤で「だれが」「いつ」亡くなったのかを記します。
併せて、故人がこれまでお世話になったことへの感謝と、来年も変わらぬお付き合いをいただけるようにと文を結びます。
(3)文末に差し出す年月と住所、氏名を記入します。
日ごろ、なかなか聞きにくい「葬儀関連」のマナー。その上、間違った立ち振る舞いをすれば恥をかくこと必須です。
会社では尚更、お得意様への対応はきちんとこなしたいものですね。いざ、という時に慌てないように、常日頃からきちんと知識を蓄えておきましょう。
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