関東エリア出発の社員旅行で高い人気を誇る箱根。300か所以上の源泉、約20種類の泉質、1日当たり約2万トンと全国第5位の湧出量を誇る温泉があり、古くから観光地として発展してきた歴史があります。
そんな箱根で長い歴史を刻むホテルといえば「富士屋ホテル」。宮ノ下温泉にあり、日本初の本格的なリゾートホテルとして1878年(明治11年)に産声をあげました。
創業者は山口仙之助さん。その後、娘婿である正造さんにより現在の建物群のほとんどが完成されました。
建物の多くが国の登録有形文化財となっており、日本を代表するクラシックホテルとしても知られている「富士屋ホテル」ですが、2018年に耐震補強工事等の改修がスタート。約2年間の休業を経て2020年7月15日にリニューアルオープンしています。
今回は外観や内装などはこれまでと変わらぬ重厚さを保ちつつ、水回りやパブリックスペースを快適に進化させた富士屋ホテルの魅力をご紹介しましょう。
会社の周年記念イベントや表彰式、インセンティブツアー(報奨旅行)、海外からのお客様を招いての招待旅行などはもちろん、ランチやディナーなどを特別な空間で楽しみたいという場合、日帰りでの利用も可能となっています。
箱根に数あるホテルの中でも「富士屋ホテル」は、数々の著名人が宿泊したことで知られています。有名なところでは、ヘレン・ケラー、チャールズ・チャップリン、ジョン・レノン&オノ・ヨーコ夫妻、三島由紀夫夫妻などなど。
皇室とも縁が深く、昭和天皇皇后陛下が宿泊されたこともあり、別館「菊華荘」は明治天皇の皇女、富美宮允子内親王殿下の御用邸を払い下げられたものでもあります。
洋風の意匠に桟瓦葺(さんがわらぶき)の千鳥破風付入母屋の大屋根、唐破風など和風の意匠を融合させた本館、豪華な室内意匠を持つ花御殿など、外国人専用ホテルとして開業した富士屋ホテルならではのユニークな歴史を物語るたたずまいも魅力。
“文化財に泊れる”ホテルは大変希少であり、一流のリゾートホテルとしてのホスピタリティ、富士屋ホテルならではのグルメなど、「特別な時間」を過ごすのに最適な空間です。優秀な成績を収めた社員を労う報奨旅行、表彰式、海外からのお客様を接待するのにふさわしいホテルといえるでしょう。
箱根のほぼ中心地に位置し、質の良い温泉、レトロな街並み、都心からのアクセスの良さなどなど。ゆったりとした時間をリラックスして過ごすのにもぴったりなロケーションです。
「富士屋ホテル 本館」は外国人客の宿泊を意識し、洋風の意匠を基調としながらも、内外の随所に和風の意匠を加味した特異な建物です。玄関ポーチは唐破風屋根に回転扉とクラシカルな演出。
1883年(明治16年)に発生した宮ノ下の大火で建物のすべてが焼失してしまいますが、翌年にはアイリーを、8年後の1891年(明治24年)には本館の再建を果たします。
大正中期~後期にかけては本館に談話室風の機能を持たせた「サンパーラー」を増築。建物向かって右側には食堂機能を拡大した「オーシャンビューパーラー」を増築するなど、新旧が混在した複雑な建物になっていきます。
以下の写真は改修前、2018年に訪れた際に撮影した本館です。
改修前・後の写真を比較してみると昔のままの姿を良く残したまま、改修されたことがうかがえます。本館に宿泊された著名人としてはチャップリンで「ヒストリックジュニアスイート」がそのお部屋。
喜劇王として名をはせたチャップリンですが、ホテルを訪れた際はノーメイクで、誰にも気づかれずゆったり滞在できたとか。この時、ホテルの3代目社長であった山口正造さんと一緒にテニスをした写真もホテルのミュージアムに残されていますよ。
山口正造さんは「日光金谷ホテル」の創立者、金谷善一郎さんの次男で、7年間の海外生活を経て山口家へ婿養子として入りました。アイデアマンであった正造さんは「食堂(現在のメインダイニング)」「花御殿」とシンボリックな建物を建築。
本館のフロント近くにはお客様に手品を楽しませるためのお部屋「マジックルーム」も作りました。
フロント前の柱にはオナガドリの姿が、また、カウンターにはケヤキの一枚板に施された見事な彫刻など、ホテルの随所に見どころがいっぱい。時間をかけてじっくりと楽しむのがおススメです。
「富士屋ホテル 本館」でもう1つ人気なのがティーラウンジ。庭園を臨む「旧・オーキッド(喫茶室)」と呼ばれていたラウンジは、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが滞在中、度々利用したことで知られています。
2人が愛したといわれるアップルパイと紅茶はこちらの名物。最近ではアフタヌーンティーも大人気となっています。
そして改修時に復刻したのが上写真のラウンジ。1977年(昭和52年)にフロントを移動した際、姿を消した「オーシャンビューパーラー」を、昭和初期の姿そのものに復刻させたものです。
庭園側とはまた違った開放感あふれるゆったりとした空間で、スイーツや軽食を楽しんでみてはいかがでしょうか。
「富士屋ホテル 花御殿」は1936年(昭和11年)、三代目社長である山口正造さんが建てたもの。富士屋ホテルの、そして箱根のシンボルとなっている鉄筋コンクリート造りの建物です。
1階部分の外壁は正倉院のような校倉造りを感じさせる意匠、黄土色のモルタル塗りで仕上げた外壁、2階・3階の外周には朱に塗られた高欄が廻らされるなど、和洋折衷の華麗な仕上がりとなっています。
「花御殿」という名にふさわしく、客室はそれぞれ花の名前が付けられており、豪華な内装やルームキーには部屋名にちなんだ花のモチーフが使われているところなどが魅力です。
上写真はかつて「花御殿」で使われていたルームキー。画家の三井萬里さんが描いた花々が描かれています。
縦25㎝×幅10㎝、重さは300gもあったそうで、現在は3D技術を使って当時の意匠をできるだけ再現しつつも、コンパクトサイズになっているとのことでした。
花御殿3階、角部屋に位置する「ヘリテージルーム菊」は、各国の著名人から愛された最上位室。ジョン・レノン夫妻が宿泊したことでも有名です。
改修工事で昭和11年当時の姿を再現。格式の高い格天井、絢爛な彫刻の数々、木張りの床など、和の意匠を随所に散りばめたつくりは、ヘリテージの名にふさわしい豪華さ。
快適に滞在できるよう、リニューアル時に水回りを使いやすく改修。バスルームは現代風のモダンなスタイルに生まれ変わっています。
各客室で源泉100%かけ流しの温泉が楽しめるところも富士屋ホテルの魅力。海外の方でもゆったり入れるバスタブサイズとなっていましす。
「菊」の下、2階角部屋にある「ヘリテージルーム桜」はヘレン・ケラーが宿泊したお部屋として有名。改装前、2018年におじゃました際、中をご案内いただきました。
カーペットや絵画など、随所に桜があしらわれ、たおやかで優美な雰囲気のお部屋でした。
3階から階段で4階まで昇った先にはペントハウススイート2ベッドルームがあります。2020年のリニューアルオープン時に取材させていただきました。
広々としたリビングルーム、ツインタイプとハリウッドタイプの2ベッドルーム。
洗面ボウルも2つあり、ゆったりと身支度が可能。ご両親の長寿のお祝いや結婚記念日のご家族旅行などにぴったりですね。
「花御殿」の地下1階には天然温泉を使用した温泉プール(水温は30℃前後に調整)があります。クラシカルな趣を感じる絵画が飾られたり、タイルや室内装飾などノスタルジックな雰囲気たっぷり。
イタリア製トップブランド「テクノジム社」のスタイリッシュなフィットネスマシンを備えたジムも併設されています。
また、夏季限定で宿泊者専用の屋外プールも庭園の中に。都会の暑さを逃れて避暑地気分をたっぷりと味わえます。
同じ「花御殿」の地下1階にあるのがホテルミュージアム「富士屋ホテル史料展示室」。富士屋ホテルの誕生から現在までの道のりを貴重な史料とともに紹介されています。
かつてホテル内で使われていた備品や客室にあったネコ足のバスタブ、改修時に発見された幻の図面などなど。歴代の経営者たちがよりよいホテルにするために試行錯誤した様子、積み重ねてきた140年余りの歴史を肌で感じることができるでしょう。
ホテル宿泊客以外の方でもこちらのミュージアムに自由に入れますので、箱根を訪れた際はぜひたずねてみてくださいね。
「富士屋ホテル 西洋館(1・2号館)」は1906年(明治39年)に竣工、初代社長である山口仙之助さんが建てたものです。ほぼ同じ建物、1号館「カムフィ・ロッジ」・2号館「レストフル・コテージ」の2棟。
八角形を巧みに取り入れた外観、鎧戸付きの上げ下げ窓など、明治期の洋風建築の様子がよくわかるデザイン。それでいて重厚感のある桟瓦葺、唐破風風の軒など和風の意匠が取り入れられるなど、ユニークなつくりとなっています。
改築が少ないため創建当時の様子を比較的よく残しており、改修時にはその印象を大切にしながらも、外壁を鋼板サイディング張りにするなどの工夫をしています。
客室は寄木張りの床に漆喰で塗られた壁、天井、ヨーロピアン調の気品ある家具でコーディネート。ノスタルジックな雰囲気たっぷりな内装です。
2018年からの改装工事で壁から桃色に塗られた漆喰壁が発見され、一部の客室で再現されています。
そしてクラシックホテルといえばやっぱりネコ足バスタブ。改修時に現代的なバスタブへとリニューアルする中、一部の客室ではまだこのネコ足バスタブが残されているお部屋もあります。
決して機能的とはいえませんが、タイムスリップしたような雰囲気が楽しめますね。
「富士屋ホテル フォレスト・ウイング」は1960年(昭和35年)に竣工。かつてフォレスト・ロッジが建っていた高台につくられた新館です。
鉄筋コンクリート造りで装飾の少ない外観、同型の客室が整然と並ぶ構成など、オーソドックスで極めて近代的な建物。客室は和風モダンを基調とする内装となっています。
改修時にフォレスト・ウイング5階の客室を無くし、あらたにスパを作りました。男性用・女性用の眺望風呂の他、サウナも併設。
箱根の外輪山を臨む景色や富士屋ホテルの敷地内に並ぶ歴史ある建物なども一望できる、まさに特等席。大きなお風呂でゆったりとくつろぎたい日本人には嬉しい温浴施設です。
そしてスパ内にはリラクゼーションルーム「禅」も。寺院をイメージした内装で、フェイシャルやボディトリートメント、東洋式のトリートメントメニューもあります。
「フォレスト・ウイング」は昭和40年に当時の天皇皇后陛下が来館し、宿泊されています。各お部屋はモダンで落ち着いたインテリアにまとめられ、ホテル敷地内の奥にあるためとても静かな環境です。
上写真は客室専用の半露天風呂も備えた「プレミアムスイート」。
お部屋とテラスの間にあるバスタブで、箱根の自然を眺めながらゆったりと入浴できます。この他、庭園を臨む和のしつらえが落ち着く「コーナーツイン」「ツインガーデンサイド」、窓の外に箱根の森が広がる「ツインフォレストサイド」があります。
旅先での楽しみである“食”。富士屋ホテルでは伝統のレシピで作られるフランス料理や、クラシックホテルならではの洋食、日本の旬を味わう日本料理など、3つのレストランがあります。
それぞれの魅力をご紹介してきましょう。
「メインダイニングルーム・ザ・フジヤ」は山口正造さんが1930年(昭和5年)に建てた食堂。鉄筋コンクリート造りの1階と、木造の2階で構成された建物で、屋上には「昇天閣」と名付けられた塔屋が設けられています。
こちらのレストラン、朝食はフルサービスブレックファスト、ランチとディナータイムは創業当時のレシピを受け継ぐ洗練フレンチを提供。
上写真は以前おじゃました際にこちらでいただいたクラシックランチで提供された「紅鱒富士屋風」です。大正時代のレシピに残されている魚料理で、しょう油とみりんを組み合わせた照り焼き風のソースと、バターソテーした紅鱒との相性が抜群。
この他、スープやビーフシチュー、デザートなどが提供されます。日帰りでの利用もできますので、伝統のお料理をじっくりと楽しんでいかれるのもいいですね。
室内は正造さんの出身地である日光の東照宮を思わせる意匠で、茶色の木製パネル(二重板)の張られた内壁、斗栱(ときょう、軒を支える組み木)、かえる股(屋根の荷重を支える部材、装飾材としても)、天井高6mの折り上げ格(ごう)天井など、随所に正造さんのこだわりが見えます。
天井板の一枚一枚には636種類の高山植物が描かれており、改修の際には外して丁寧にクリーニング。往年の美しさを取り戻しています。
実はダイニングルームにある柱の根元には、鋭い目つきの彫刻が施されているのを御存じでしょうか。こちらは、正造さんご自身を表しているといわれ、従業員のサービスに目を光らせているといいます。
この他、随所に彫刻や飾りが施されているので、訪れた際はじっくりと鑑賞して帰りましょう。
本館と食堂棟の裏側にあった旧宴会場「カスケードルーム」を復原したレストラン。1920年(大正9年)竣工当時のステンドグラスや彫刻などもそのまま残されており、華やかかりし頃の趣たっぷりです。
こちらのレストランでは“富士屋ホテルキュイジーヌ”を提供。伝統のビーフカレーやチキンカレー、ビーフシチュー、オムライスなど洋食メニューが楽しめます。
「レストラン・カスケード」の奥にある壁は、左官職人として国内外で活躍する久住有生さんの作品。“カスケード”とは連続して連なっている状態、小さな滝を意味することばで、そのイメージをデザインされています。
こちらのレストランにも見事な彫刻や飾りなどがたくさん施されていますので、お食事だけではなくお部屋の細かな意匠をぜひ楽しんでいかれることをおススメします。
「菊華荘」は1895年(明治28年)に宮ノ下御用邸として建てられた純日本建築の建物。関東大震災で大きな被害を受け、建物の規模は縮小され、1933年(昭和8年)に廃止となりました。
その後、1946年(昭和21年)に富士屋ホテルに払い下げられ、今に至ります。こちらでは旬の食材にこだわった日本料理が楽しめる他、予約限定で和のアフタヌーンティーも提供。
菊華荘にある貸切檜風呂での日帰り入浴、昼食、休憩がセットになったプランなどもあります。
会社の周年記念パーティや成績優秀な社員の表彰式、研修など、団体での利用も可能な富士屋ホテル。レストラン・カスケードのお隣にある「ヘンリーズ・ルーム」では、食事はもちろん、100インチのスクリーン・65インチのモニター、マイク、音響施設なども用意されています。
宿泊者専用エリアには「フォレスト・ホール」、少人数での会合にぴったりな「フェニックス・ルーム」、菊華荘の貸切など、顔触れに合わせた会場をコーディネートしてもらえますよ。
そして富士屋ホテルといえばやっぱり「仙石ゴルフコース」。1917年(大正6年)にパブリックコースのゴルフ場として開場しました。
仙石原の大自然の地形を生かした設計は、アップダウンが少なく、適度なアンジュレーションが戦略的なコースとしてゴルファーを魅了しています。社員研修や会議と合わせて、ゴルフコンペ開催もおすすめです。
箱根への社員旅行で日帰りランチやアフタヌーンティーをクラシックホテルで楽しむ、というのも魅力的。ご両親の長寿・結婚記念のお祝いに家族で楽しむのもいいですね。
次の箱根旅行にはぜひ、「富士屋ホテル」を訪れてみてはいかがでしょうか。
<おすすめポイントまとめ>
取材協力:富士屋ホテル
住所 : 神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
問合せ先:0460-82-2211(受付時間 9時~20時)
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